『ゴジラS.P<シンギュラポイント>』、2021年放送された、ゴジラシリーズ初の日本産連続テレビアニメです、そして令和初のゴジラ作品でもあります。自分初めてのゴジラと言えば、多分1991年の『ゴジラ vs キングギドラ』になります、それ以来結構長いブランクが空いていて、またゴジラを観る時、もう『シン・ゴジラ』の時代になりました、そこからまた「やっぱ怪獣いいな!」っていう熱意が再び湧きまして、その後のハリウッド版とアニゴジ3部作はもちろん、昔の作品もちょこちょこ補完中です、そんな状態で本作『ゴジラS.P』を観始め、そして信じられない程ドハマりました。
視聴する前にここまで好きになるとは思わなかったわ
本作を観る前に、ちょうどNetflixでアニゴジの『GODZILLA』3部作を観終わったところで、次はどれを観ようかなって迷ってて「じゃあ同じアニメ版の『ゴジラS.P』を観てみようか!」というノリで観始めたんですが、まだ『GODZILLA』の超未来世界観+始終重い雰囲気に浸ってるところで…「謎解き?何かちょっと茶番入ってない?」という第一印象で本作の世界に入って、しかも難しい用語わりと頻繫に出てきて、最初の2話くらい正直慣れなかった。とはいえ、観れば観るほど、段々と本作特有のテンポにシンクロしてきて「ふむふむ…なるほど」「面白くなってきたな…!」って、よく考えれば…2時間台の映画とは違って、そもそもアニメ13話分の話展開はこんなもんだ、こうして「ゴジラは?」という焦りもなくなり、物語自体を楽しんで観れるようになって、そして円盤も購入し、3、4周目まで視聴しました!13話総計6時間未満で、本当に観るなら5周目もまだまだ楽しんでいけると思います(´▽`)
先程にも少し触れたんですが、本作は謎解き要素が多め上でSF設定も盛り盛りなので、難しい!ゴジラ作品、怪獣作品の前にまずはガッチガチのハードSFになっています!1周目を観終わった時点で半分くらいしか分からなくて…2周目観てようやく分かるようになりました、だた、制作スタッフ座談会の情報によると、「この作品は『わからないけど面白い』という見方ができる作品だと思っています。(キャラ原案:加藤和恵)」「この作品はコメディなので、気軽に楽しく観ていただきたいです。(脚本:円城 塔)」という意匠で制作したらしくて、寧ろノリで観るのは一番推奨かもしれませんね〜
話の構成について、主に主人公二人の神野銘と有川ユンの周りに起きた事件や謎に沿って二本の軸で出来ています、二本の軸もそれぞれ役割が違って、銘のルートは主に謎解き、ユン側は怪獣現場の対応、物語の進行に伴って、二つの軸は最終的に一本の柱に収束され、クライマックスに迎えるという話になりますが、怪獣と紅塵の謎について主人公の二人は始終ネットを通して情報を交換してて、しかも物語序盤の時に物理的にも距離が近かったのに、実際最終話までお互いに本人と会えてないのも面白かった。
ダブル主人公の脚本構成本当に絶妙だったわ!
そして怪獣作品の大半は「人類対怪獣」もしくは「怪獣対怪獣」のどちらに入ると思いますが、『初代ゴジラ』や『シン・ゴジラ』は「人類対怪獣」の典型として、それに対し『○○ vs ○○』など、複数の怪獣が登場して対戦するのは「怪獣対怪獣」、いわゆる怪獣プロレスという形式になります、本作は怪獣多数登場にも関わらず、結果的に『初代』や『シン』のような「人類対怪獣」の形になって、そして前述両作を彷彿させる「科学の力でゴジラを倒した」という結末を迎えた。旧作に対するリスペクトは話の展開だけではなく、怪獣の部分からも色々垣間見えました。
人類側の対ゴジラ最終手段「オーソゴナル・ダイアゴナライザー」、その略称は初代ゴジラの「オキシジェン・デストロイヤー」と同じく「O.D.」となっています、これも意図的な偶然だね
本作はゴジラ以外、シリーズ旧作の怪獣も多数登場しました(オリジナル怪獣もいた)、外見や設定には多少の変更がありますが、全部世界観に合わせて良い感じにアレンジを加えました、今回の怪獣は皆紅塵という異常現象と共に現れた謎の存在であり、怪獣感より生物感の方は強く感じられ、怪獣間の捕食や生存競争などの描写もありました、そして小さいサイズから皆どんどん何らかの形で進化していって、肝心のゴジラでも例外なく、『シン』のように、最初は水生形態で、そして両生形態→陸生形態に進化し、終盤にやっとお馴染みの見た目(最終形態)になって君臨しました。そして今作のゴジラは全シリーズにおいて、唯一核エネルギーとは関係ない個体であり、それでも強さには全然影響なく「ゴジラ=天災」という軸もブレてない、なんなら今作のゴジラ、宇宙を壊滅させるポテンシャルすらあります、そんなゴジラにどうやって対抗するのか、その答えは…ジェットジャガー!
今作のジェットジャガーの話ですが、最初はただの町工場で作られたロボットで、話の展開と共に強化されつつ、最終的に段々と人知を超えていき、そしてゴジラと同じ土俵に立ち上がって、自分の使命を果たすという悲壮感が漂う話でした、最終話にグッと来る話ですね。そして円盤特典のオーディオコメンタリーでジェットジャガーの裏話について「13話までゴジラと戦えるようになって貰わないと困る (脚本:円城 塔)」というコメントによると、「ジェットジャガー vs ゴジラ」という構図は最初からもう決まっていて、「最後の最後まで」進化し続けていくジェットジャガーの大活躍は必見です!
色々お話したんだけど、結局気軽に観るのが一番!
前述の通り、今作は「難しく考えなくても楽しめる」という意匠で作られたので、普通のエンターテイメント作品として観ても全然面白い、13話構成なので、映画と比べてテンポ緩く感じる時もありますが、その分謎解きパートはしっかり描写され、ゆるい日常シーンも間接的に世界観を説明してくれるので、メリハリとしてはちょうどいいくらいと思います、そして戦闘シーンのバリエーションも多くて、人間サイズから巨大サイズの怪獣バトルが用意されているので、戦闘シーン重視の方も満足できるボリュームです、テレビ放送が終わった今、Netflixでまだ観れるので、今までとは一味違うゴジラを求めてる方は、ぜひ観てほしいです!それでは!
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